あなたの机の引き出しの奥に数年前のチロルチョコは眠っていませんか?
ヴィンテージワインに愛好家がおられるようにヴィンテージチロル(誤用)にもまだ私たちが気づいていない魅力が隠れているのではないでしょうか?
第一回目にご紹介するのはチロルチョコ「チョコミント」です。
2005年の発売から10年以上の長きにわたって冷蔵庫の中で忘れ去られていた悲しきチロルチョコです。
10年以上の歳月がうまみや香りを熟成させているのか?
たぶん害はなさそうなので実食にて確認いたします。
外観
通常、チロルチョコの包み紙はノリの効いたワイシャツのようにエッジが立った見た目ですが、ビンテージチロルは角が取れて丸くなりなんとなくブヨブヨダルダルした感じになっています。
10年の歳月が与える影響として、この辺りは人間もチロルチョコも同じですね…
パッケージを開けると飛行機のような絵が描かれているチョコレートが出てきましたが、これピラミッドの壁画の一部を切り抜いたものといっても人類の過半数は信じてしまいそうなルックスをしています。
なお、全体的に白っぽい粉を吹いている感じはチョコレート界隈ではおなじみのファットブルーム現象かと思われます。
パッケージに「風味や口溶けは損なわれますが身体への影響はありません」と書かれているあれです。
ということで、食べても身体への影響はなさそうです。
チョコレートに挟まれたミントチョコの部分が静かにたたずむトルコ石のような風貌になっており、自然界では到底生まれそうにない不気味な配色に興奮を隠せません。
切ってみる
チョコレートはかなりバサバサしているため、切るというよりはパリパリと砕けて割れたような印象でした。
断面図はとてもジューシーな見た目で表面の色とだいぶ違っていることがわかります。
チョコレートの色的にはビターチョコのように見えます。
人間の嗅覚とはとても不思議なもので、なぜか臭いだけで「あ、このチョコばっさばさだわ…」と理解できるのです。
そんな不思議なにおいが漂っており、チョコレートやミントの香りはほとんどありません。
実食
嗅覚が知らせた通り食感はバッサバサ、味はダメな感じの油の風味以外はほとんどなく、油粘土を噛み続ける罰を与えられているような不気味な食感です。
ところが、5回くらい噛んでると猛烈な苦みが!
ビターチョコの持つ苦みでしょうがとにかく苦みが強くミント感は神経を研ぎ澄ませればほんのり感じる程度です。
もしかしたら、実際にはミント感が残っておらず脳が感じさせた錯覚かもしれません。
汚い洗面台の横に飛び散っている古い歯磨き粉の乾いたやつとか食べたらこんな感じなんじゃないでしょうか…
もしかしたら、病みつきになる味かもしれませんがそれがわかるほどの量が残っていないのが悔やまれるところです。
まとめ
発売年 :2005年
香り :ダメな感じの油のにおいだけど切った後はくさいチョコの臭い(ミント臭なし)
食感 :ばっさばさ
味 :無味→苦味→ほんのりミント→猛烈な苦み→後味はほんのりミント
総評 :「チョコレートが発明されたときの手法で作ったもの」とか言って高いワインと一緒に出せば成金を騙せそう
おすすめ度:★★☆☆☆
扉が開かれたビンテージチロルの世界、他の味もまだまだ残っていますので不定期連載いたします。
本記事は半分ジョーク記事です。
古い食品の安全性が立証されているものではありませんのでライターが自己責任で実食レビューしているものです。
まねをするのはおススメできませんのであらかじめご了承ください。